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県立広島大学は「やばい」のか。3つに分かれた公立大学の中身を落ち着いて整理する

県立広島大学は「やばい」のか。3つに分かれた公立大学の中身を落ち着いて整理する

「県立広島大学 やばい」と調べて不安になった人に向けて書いています。名前は一つでも、学ぶ場所も分野も県内三か所に分かれていて、全体像がつかみにくい大学です。 偏差値47.5と充足率106%を公立大学の物差しで読み直し、成り立ちや国家資格まで事実で確かめます。当サイトの判定では、Fラン(定員割れ・実質全入)には当てはまりません。

この記事の目次
  1. 県立広島大学が一つの大学に見えにくいのは、県内三か所に散っているから
  2. 2005年に三つの県立大学が合流してできた大学だから、学部の毛色が独立している
  3. 偏差値47.5は、公立大学の受け方を踏まえて読む
  4. 収容定員充足率106%は、定員が埋まらないどころか超えて埋まっているという事実
  5. 三原の保健福祉学部は、国家資格で食べていくための学部
  6. 庄原の「食と農」、広島の「地域と情報」も止まっていない
  7. 就職はどうか。決定率と、地元に根を張る進路
  8. よくある質問

県立広島大学が一つの大学に見えにくいのは、県内三か所に散っているから

「県立広島大学」と検索して像が結びにくいのには、はっきりした理由があります。この大学はキャンパスが一か所にまとまっておらず、学部ごとに県内の別々の街へ通う構造になっているからです。広島市南区宇品東にある広島キャンパスには地域創生学部、広島県北部の庄原市にある庄原キャンパスには生物資源科学部、山陽側の三原市にある三原キャンパスには保健福祉学部が置かれています。つまり一つの名前のもとに、性格の違う三つの単科的な学び舎が並んでいる状態です。

「やばい」という言葉で調べる人の多くは、この分かりにくさを前にして手が止まっているのだと思います。総合大学のように一つのキャンパスで全学部が交わるわけではないので、パンフレットや口コミの断片を拾っても全体像が見えず、不安だけが残りやすい。まずは「三つの専門校が県内に散らばっている公立大学」という骨組みを押さえると、以降の情報がすっと入ってきます。

2005年に三つの県立大学が合流してできた大学だから、学部の毛色が独立している

キャンパスと分野がここまで分かれているのは、県立広島大学が最初から一つの大学として設計されたのではなく、既にあった三つの県立大学を合流させて生まれた大学だからです。母体になったのは、県立広島女子大学(源流は1920年設置の広島高等女学校専攻科)、広島県立大学(源流は1954年開学の広島農業短期大学)、広島県立保健福祉大学(源流は1995年開学の保健福祉短期大学)の三つ。これらが2005年に統合して県立広島大学が開学し、2007年に公立大学法人となりました。

それぞれが女子教育、農業、保健福祉という別々の歴史を背負っていたため、統合後も学部ごとの専門性が薄まらず独立しています。就職に強い保健福祉、食と農の生物資源、地域と経営の地域創生という色分けは、この成り立ちの名残です。歴史の異なる三本の流れが一本にまとまった大学だと分かると、キャンパスが離れているのも自然な帰結として理解できます。

偏差値47.5は、公立大学の受け方を踏まえて読む

県立広島大学の偏差値はおよそ47.5です。この数字だけを私立大学の感覚で見ると物足りなく感じるかもしれませんが、公立大学の入試は受け方が違います。多くのコースで大学入学共通テストの複数科目を課したうえで個別試験を組み合わせるため、少ない科目に絞って挑む私大方式と同じ土俵の数字ではありません。共通テストで一定の総合力を求められる前提での47.5であり、科目数が減った分の見かけの高さは含まれていない、と考えるのが妥当です。

そのうえで「Fラン」という言葉の一般的な定義、すなわち定員が埋まらず実質的に誰でも入れる状態には、県立広島大学は当てはまりません。当サイトの判定でも対象外としています。偏差値の数字が中位帯にあることと、選抜が機能していないことは別の話です。ここを混同すると、実像より不安の方が大きく膨らんでしまいます。

収容定員充足率106%は、定員が埋まらないどころか超えて埋まっているという事実

「やばい大学」という言い方でしばしば連想されるのは、定員割れが続き、経営や存続が危ぶまれる状態です。県立広島大学の収容定員充足率は106%で、これはその逆を指しています。定員を100%とすれば、それを上回って学生が在籍しているということで、志望者が集まらず空席が広がっている大学の姿とは正反対です。

この充足率を支えているのは、公立大学ならではの条件でもあります。学費が国公立水準で私立より抑えられ、さらに広島県内に一定期間住んでいる人には入学料の優遇があるため、県内の受験生にとって現実的で堅実な進学先になっています。地元で学び、地元で資格を取り、地元で働くという道筋が描きやすい。充足率106%という数字は、県民の進学先としてこの大学が実際に選ばれ続けていることの静かな裏づけです。

三原の保健福祉学部は、国家資格で食べていくための学部

不安を打ち消す一番分かりやすい材料が、三原キャンパスの保健福祉学部です。ここには保健福祉学科のなかに看護学、理学療法学、作業療法学、コミュニケーション障害学、人間福祉学のコースが置かれ、看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といった医療福祉の国家資格を目指せます。学ぶ内容がそのまま職業免許に直結する、実学の色が濃い学部です。

結果も出ています。大学の公表によれば、2024年3月の卒業生では看護師・保健師・理学療法士・助産師の国家試験で合格率100%を達成しています。国家資格は取得できれば全国どこでも通用する強い土台になり、景気に左右されにくい職域でもあります。「大学名で不安になる」ことと「卒業後に食べていけるか」は別問題で、この学部に関しては後者の答えはかなりはっきりしています。

庄原の「食と農」、広島の「地域と情報」も止まっていない

残る二学部も、それぞれ地に足のついた分野を扱っています。庄原キャンパスの生物資源科学部は、地域資源開発学科と生命環境学科(生命科学コース・環境科学コース)で構成され、豊かな自然環境のなかで「食」「農」から「生命」「環境」までを実践的に学びます。スマート農業や食のマネジメント、生命環境科学など、地域と結びついた学びが中心です。

広島キャンパスの地域創生学部は、地域社会の課題を見つけて協働で解決する力を育てる学部で、国際共生・経営・健康科学のコースを持ちます。健康科学コースでは管理栄養士の養成も行われています。さらにこの学部は2026年4月に情報学科を新設する予定で、数学・情報の教職課程も置かれる計画です。学部を止めて縮小しているのではなく、新しい学科を足して時代に合わせている大学だという点は、判断材料として押さえておく価値があります。

就職はどうか。決定率と、地元に根を張る進路

最後に卒業後の出口です。大学が公表している直近の就職決定率は100.0%とされており、就職を希望した学生がおおむね進路を決められている状況がうかがえます。派手な有名企業名が並ぶタイプではありませんが、卸売・小売、製造、金融・保険、情報通信、教育、公務、そして医療・福祉と、業種は幅広く分散しています。

特に保健福祉学部は、取得した国家資格を活かして医療・福祉の専門職や自治体の保健医療福祉職へ進む人が多く、進路と学びが一直線でつながっています。地域創生学部や生物資源科学部でも、地元企業や公務員が主要な進路になっています。全国区の知名度を競う大学ではなく、広島という地域のなかで確実に人材を送り出し、卒業生が根を張っていく。県立広島大学の実像は、この地に足のついた堅実さに集約されます。

よくある質問

県立広島大学はFランですか。

定員割れや実質全入という意味でのFランには当たりません。収容定員充足率は106%で定員を上回って埋まっており、偏差値も約47.5と中位帯です。共通テストを課す公立大学の選抜であり、当サイトの判定でも対象外としています。

国公立と私立のどちらですか。

広島県公立大学法人が運営する公立大学です。2005年に県立広島女子大学・広島県立大学・広島県立保健福祉大学の三つが統合して開学し、2007年に法人化されました。学費は国公立水準で、広島県内に一定期間住んでいる人には入学料の優遇があります。

キャンパスはどこにありますか。

学部ごとに三か所に分かれています。地域創生学部は広島市南区宇品東の広島キャンパス、生物資源科学部は庄原市の庄原キャンパス、保健福祉学部は三原市の三原キャンパスです。志望する学部で通う街が変わる点に注意してください。

どんな資格が取れて、就職はどうですか。

保健福祉学部では看護師・保健師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの国家資格を、地域創生学部の健康科学コースでは管理栄養士を目指せます。2024年3月卒では看護師・保健師・理学療法士・助産師の国家試験で合格率100%を達成。大学公表の直近の就職決定率は100.0%で、地元企業・公務員・医療福祉が主な進路です。

学部や学科は今後変わりますか。

2020年に現在の三学部体制へ再編されました。さらに2026年4月には地域創生学部に情報学科が新設される予定で、数学・情報の教職課程も置かれる計画です。学部を縮小しているのではなく、新しい学科を加えて拡充している段階です。

ABOUT US

相川 直樹

相川 直樹 |偏差値・充足率・就職データだけで大学を検証する編集者

ネット上の「○○大学はやばい」「Fラン」という書き込みの多くは、匿名の印象論です。私は、河合塾の偏差値・収容定員充足率・国家試験や就職の公式データという、誰でも確認できる一次情報だけを並べ、その噂が実態と合っているかを一つずつ確かめます。受験生と保護者が、雰囲気ではなく数字で進路を選べるように。

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