青森中央学院大学はやばい?全国でも珍しい経営法学部と看護学部を偏差値BFの実態から見る

青森中央学院大学の偏差値はBF(当サイト判定はS、ボーダーフリー)で、学力で絞り込む入試ではありません。ただ収容定員充足率は91.2%と、募集人数のほとんどが毎年埋まっています。 全国でも数少ない経営法学部と、短命県である青森の医療を担う看護学部の二学部制が特徴です。公務員や地元就職、看護師・保健師という出口の中身を、公式データで落ち着いて見ていきます。
この記事の目次
全国でも数少ない「経営法学部」という看板から始まった大学
青森中央学院大学は1998年、経営法学部経営法学科を置いて開学しました。前身にあたる青森中央短期大学の経営情報学科を改組転換して生まれた学部です(大学公式の沿革)。開学当時は全国でも珍しい経営法学部を掲げた大学として紹介されており(日本私立大学協会の教育学術新聞)、名前のとおり経営学と法学を一つの学科でまとめて学べるのがこの大学のもともとの個性です。
建学の精神は「愛あれ、知恵あれ、真実あれ」。八甲田山系のすそ野に広がる青森市のキャンパスで、地域に根ざした実学教育を掲げてきました。まず押さえておきたいのは、偏差値の話に入る前に、この大学が経営法という一風変わった学部から出発しているという点です。ここを飛ばして数字だけを見ると、大学の輪郭を取り違えてしまいます。
偏差値はBFだが、充足率91.2%でほぼ定員が埋まる構造
青森中央学院大学の偏差値は河合塾基準でBF(ボーダーフリー)で、経営法学部・看護学部ともにBFとされています(旺文社パスナビ)。当サイトの換算では偏差値35.0相当、判定はS(ボーダーフリー)です。BFは、合格可能性50%のラインが引けないほど不合格者が出にくい、つまり学力試験で人数を絞る設計になっていないことを示します。難関大のようにふるい落とす入口ではない、と理解すれば十分です。
ただし、ここは正直に書きます。偏差値がBFであることと、学生が集まらないことは別の話です。青森中央学院大学の収容定員充足率は91.2%で、100%には届かないものの、募集定員のほとんどが毎年埋まっている状態です。ガラガラで存続が危ういというより、地元の進学需要と医療系の資格志向に支えられて、定員近くまで人が入る構造になっている、と読むのが実態に近いです。入りやすさと、埋まり具合は、切り分けて見るべき数字です。
経営法学部は「公務員と地元就職」に照準を合わせている
経営法学部の出口は、地元の公務員と地場企業にはっきり寄っています。主な就職先には青森県庁、青森市役所、黒石市役所、五所川原市役所、青森県警察、青い森信用金庫、プロクレアホールディングスなどが並びます(リクルートのスタディサプリ進路)。大学ポートレートの就職実績(令和7年度公表分)でも、勤務地は青森県が66.4%と過半で、業種別に地方公務員や国家公務員、職種別に自衛官や警察官・消防士が一定割合を占めています。
この背景には、大学側の設計があります。経営法学科では通常授業のなかで公務員試験に必要な専門科目を学べるようにし、別途、公務員講座で試験の傾向と対策を扱っています。1年次から段階的な就職サポートを組み、3年生には学内企業セミナーや個人面接を実施するなど、手をかける方針です。難関を狙う学部ではありませんが、青森で公務員や地元企業を目指す人にとっては、経営と法の基礎を押さえながら試験対策までつなげられる実利のある学部だと言えます。
看護学部は短命県・青森の医療を支えるためにある
看護学部看護学科は2013年に設置されました。これも短期大学の看護学科を改組転換して生まれた、比較的新しい学部です。育てるのは看護師と保健師で、大学自身が「青森県は少子高齢化に加え、全国最下位の短命県という課題を抱えている」と課題を明示し、地域の保健医療福祉に貢献できる人材の養成を掲げています。地元の医療を担うという目的が、学部の存在理由そのものになっています。
就職先には青森県立中央病院、弘前大学医学部附属病院、むつ総合病院、青森市民病院などの県内総合病院が並び、保健師として青森県庁や六ケ所村役場に進む例もあります(大学公式・スタディサプリ進路)。さらに2018年開設の別科助産専攻に進めば、助産師の国家試験受験資格まで目指せます。資格を武器に県内で働く前提なら、この看護学部は堅い選択肢です。ただし国家試験の合格率は年度で動くため、受験前に必ず最新の実績を大学公式で確認してください。
母体は青森田中学園、同一キャンパスの短大とセットで見る
青森中央学院大学の母体は、1946年創立の学校法人青森田中学園です。青森珠算簿記学院(現在の青森中央経理専門学校)と青森裁縫学院(現在の青森中央文化専門学校)を源流とし、1970年に青森中央短期大学、1998年に青森中央学院大学が開学しました。系列の青森中央短期大学とは同一キャンパス内にあり、カフェテリアのメニュー連携やデータサイエンス・AI基礎プログラムの共同開講など、両校の交流が盛んなのも特徴です。
ここで一つ注意点があります。名前が似ているため、千葉県にある中央学院大学と混同されがちですが、両者にまったく関連はありません(大学公式・Wikipedia)。「中央学院」という語感から系列校だと思い込むと、志望理由書や面接で足をすくわれかねません。青森中央学院大学は、あくまで青森田中学園が青森市で運営する独立した私立大学です。
国際色を掲げて生まれ、留学生と国際交流に力を入れる
この大学は開学時から国際色豊かな大学を掲げて誕生した経緯があり、留学生の受け入れと国際交流を一つの柱にしています。キャンパスには国際交流会館が置かれ、留学生が中心となるFSA(Foreign Students Association)が学内でクリスマスパーティーなどのイベントを主催しています。学外との連携では、ベトナムのFPT大学と学術交流協定を結ぶなど、海外の大学とのつながりも広げています。
偏差値がBFの大学と聞くと閉じた地方私大を想像しがちですが、実際には海外からの学生が一定数いて、国際交流の場が用意されています。地元志向の学部構成でありながら、キャンパスの中に多様な背景の学生がいる。この点は、パンフレットの数字だけでは見えにくい、通ってみて分かる側面です。
青森市横内、八甲田のすそ野という立地とアクセス
キャンパスは青森県青森市横内字神田12番地にあります。八甲田山系のすそ野に広がる自然豊かな環境で、最寄りの公共交通はバスが中心です。JR青森駅前からJRバス東北または青森市営バスに乗り、「青森中央学院大学前」で下車して所要およそ35分。大学からは通学バスも出ています。都心のように駅前に建つ立地ではないため、通学手段は入学前に確認しておくと安心です。
立地を弱点と見るか実利と見るかは、進路の前提次第です。地元で学び、青森で公務員や看護師として働くことを想定するなら、県内の官公庁や総合病院に近いこの立地はむしろ就職の近さという利点になります。学費は経営法学部と、実習を伴う看護学部・別科でそれぞれ水準が異なるため、最新の金額は必ず大学公式サイト(aomoricgu.ac.jp)で確かめてください。
よくある質問
青森中央学院大学はFランですか?
偏差値は河合塾基準でBF(ボーダーフリー)で、当サイト判定はS(偏差値35.0相当)です。学力で絞る入試ではないためFラン圏に入ります。ただし収容定員充足率は91.2%とほぼ定員が埋まっており、経営法学部の公務員実績や看護学部の資格教育など、偏差値だけでは測れない中身があります。
青森中央学院大学の経営法学部から公務員になれますか?
主な就職先に青森県庁、青森市役所、黒石市役所、五所川原市役所、青森県警察などが挙がっており、地元公務員への就職実績があります。授業内で公務員試験の専門科目を学べるほか、公務員講座で試験対策を行う体制が整っています。難関ではありませんが、青森で公務員を目指す人には現実的な進路です。
青森中央学院大学の看護学部の就職先はどこですか?
青森県立中央病院、弘前大学医学部附属病院、むつ総合病院、青森市民病院などの県内総合病院が中心です。保健師として青森県庁や六ケ所村役場に進む例もあります。2018年開設の別科助産専攻に進めば助産師の国家試験受験資格も目指せます。国家試験の合格率は年度で変わるため公式で最新値の確認をおすすめします。
青森中央学院大学は千葉の中央学院大学と同じ大学ですか?
別の大学で、両者に関連はありません。青森中央学院大学は1946年創立の学校法人青森田中学園が青森市で運営する私立大学で、系列校は同一キャンパスの青森中央短期大学です。名前が似ていますが、千葉県の中央学院大学とは経営も系列も異なります。

相川 直樹