金城大学(石川)はやばい?偏差値35でも国試ほぼ全員合格・地元就職100%の資格大学という実像

金城大学を調べると「やばい」「Fラン」という言葉が先に目に入ります。石川県白山市にあるこの大学は偏差値35前後、充足率も82.1%と、入りやすさの面では確かに苦戦しています。
ただ、この大学は看護師や理学療法士など資格職を養成する学校です。
入口の数字だけで判断すると、国家試験と就職という出口の話を丸ごと見落とします。ここでは煽らず、公表された数字で中身を確かめていきます。
この記事の目次
まず確認、金城大学は白山市の医療・福祉現場に併設された資格養成校
金城大学は石川県白山市にある私立大学です。看護学部の松任キャンパスは公立松任石川中央病院の隣にあり、白山市役所も近い、いわば市の医療と行政の真ん中に立っています。もう一方の笠間キャンパスに理学療法・作業療法・社会福祉・子ども教育保育の学科が置かれています。
学部構成は看護学部(看護学科)、医療健康学部(理学療法学科・作業療法学科)、人間社会科学部(社会福祉学科・子ども教育保育学科)、そして2024年度開設の総合経済学部です。並べて分かるとおり、大半が国家資格や免許に直結した学科で構成されています。つまりこの大学の価値は、偏差値ランキングの位置ではなく「資格を取って現場に出られるか」で測るのが筋の通った見方になります。
偏差値35という数字は「入りやすさ」であって「卒業後の弱さ」ではない
理学療法学科と作業療法学科の偏差値はいずれも35.0とされ、金城大学が「やばい」「Fラン」と語られる直接の根拠になっています。共通テスト得点率でみても45〜50%程度で、学力選抜のハードルは高くありません。看護学部は少し高めに出ますが、大学全体としては入りやすい部類です。
ここで冷静に切り分けたいのは、偏差値は入学時点の受験生の学力分布を映すだけの数字だという点です。資格職の場合、入学後に国家試験という全国共通の関門が待っています。偏差値35で入っても、その関門を越えれば理学療法士も看護師も同じ資格になります。入口の易しさと、出口の資格の価値は別の話として見る必要があります。
金城大学の国家試験は「入りやすいのに落とさない」に振れている
実際の国家試験の結果を、公表値で並べます。
- 看護師:第115回(2025年)で合格率94.9%(受験78人・合格74人)。新卒の全国平均94.1%とほぼ同水準。
- 保健師:合格率100%の実績。
- 理学療法士:合格率100%(受験55人・合格55人)の実績。
- 作業療法士:合格率100%(受験28人・合格28人)。全国平均を上回る。
- 社会福祉士:合格率88.2%(受験51人・合格45人)。福祉系大学等ルートの新卒全国合格率58.1%を大きく上回る。
偏差値35で入学した学生を、理学療法・作業療法では受験者全員合格まで持っていっている年があるわけです。これは学生の元の学力より、入学後にどれだけ国試対策に手をかけるかで決まる領域で、金城大学はそこに寄せた運営をしている、と数字は語っています。少なくとも「入れても資格が取れずに終わる」タイプの学校ではありません。
充足率82.1%、定員割れの学科もあるが医療系は就職100%が続く
金城大学の充足率は82.1%で、定員をやや下回っている状態です。地方私大で資格系学部を持つ大学にはよくある水準ですが、経営面や学科の人気の偏りを気にする材料ではあります。志望する学科の入学状況は、募集要項で個別に確認しておくと安心です。
一方で、就職の出口はむしろ強く出ています。公表された就職率は次のとおりです。
- 理学療法学科・作業療法学科・看護学科:3年連続で就職率100%(2024〜2026年3月卒)。
- 子ども教育保育学科・専攻科:おおむね100%。
- 社会福祉学科:92.4%(2025年3月卒)〜98.2%(2026年3月卒)。
定員割れという入口の弱さと、医療系ほぼ全員就職という出口の強さが同居しているのが金城大学の実態です。資格職は求人そのものが安定して多いため、大学の偏差値に関係なく就職につながりやすい、という構造がここに効いています。
就職先は石川県内の病院・福祉施設・行政に厚い
主な就職先には、金沢赤十字病院などの県内医療機関、白山市役所や小松市役所といった行政、そして地域の社会福祉法人などが挙がっています。地元で医療・福祉・保育の資格職として働きたい人にとっては、実習先と就職先が地続きになっている環境です。
逆にいえば、全国の大企業や県外の華やかな業界を狙う進路には向いた大学ではありません。金城大学は「石川県で資格を取り、地元の現場で働く」という進路と相性が良い学校で、そこを目的にしている限り偏差値35は障害になりません。
注意、愛知の「金城学院大学」とは完全に別の大学
ネットで金城大学を調べると、名前が似た「金城学院大学」の情報が混ざってきます。金城学院大学は愛知県名古屋市の女子大で、まったく別の法人・別の大学です。偏差値も就職先も別物なので、口コミや評判を読むときは石川県白山市の金城大学(kinjo.ac.jp)の情報かどうかを必ず確認してください。「やばい」という評判の一部は、この二校の取り違えから来ていることもあります。
金城大学が向く人・慎重に考えたい人
向いているのは、看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・保育士など、取る資格が最初から決まっていて、石川県やその周辺で働きたい人です。入試の学力ハードルが低い分、入ってから国試対策に本気で取り組めるかが分かれ目になります。手厚い対策が用意されている大学なので、それに乗れる人には相性が良い環境です。
慎重に考えたいのは、まだやりたい職業が固まっていない人や、資格に縛られない進路を広く見たい人です。資格養成に特化した大学のため、方向転換のしにくさはあります。とはいえ「金城大学=やばい」で片づけるのは早計で、目的が資格職なら、偏差値35という数字は出口の実績の前ではさほど重い意味を持ちません。
よくある質問
金城大学の偏差値はどのくらいですか?
理学療法学科・作業療法学科は35.0とされ、大学全体でも入りやすい部類です。看護学部はやや高めに出ます。ただし資格職を養成する大学なので、卒業後の価値は偏差値より国家試験の合格と就職で測るのが実態に合っています。
金城大学はやばい・Fランと言われますが就職はどうですか?
理学療法・作業療法・看護の各学科は2024〜2026年3月卒で3年連続の就職率100%です。社会福祉学科も92〜98%台。石川県内の病院・福祉施設・行政への就職が中心で、資格職ゆえに就職につながりやすい構造です。
国家試験の合格率は低くないですか?
低くありません。看護師は第115回で94.9%、理学療法士は受験者全員の100%、作業療法士も100%、社会福祉士は88.2%と全国平均を上回る年があります。入りやすさの割に国試を通す運営に振れています。
愛知の金城学院大学と同じ大学ですか?
別の大学です。金城大学は石川県白山市の私立大学、金城学院大学は愛知県名古屋市の女子大で、法人も所在地も異なります。口コミを読むときは石川県の金城大学(kinjo.ac.jp)の情報か確認してください。

相川 直樹