大阪総合保育大学は保育に特化した単科大学。偏差値42.5でも就職率が高い理由

大阪総合保育大学を「やばい」と調べる人の多くは、偏差値42.5という数字や、単科大学で大丈夫かという不安が入口になっています。ただこの大学は、保育士や幼稚園教諭、小学校教諭を育てることに絞り込んだ大学です。
入口の偏差値と、卒業後に現場へ立てるかは別のものさしです。ここでは偏差値、充足率、実習と資格、就職を順に確かめます。当サイトの判定は対象外です。
この記事の目次
- 大阪総合保育大学は「保育と幼児教育だけ」の単科大学なので、やばいの意味が総合大学と違う
- 偏差値42.5は当サイトの目安。河合塾のボーダーは37.5から42.5で方式により幅がある
- 充足率79.7パーセントは定員をやや下回る。保育系単科が置かれた全国的な逆風の中で正直に見る
- 母体は城南学園という総合学園。保育園から大学院まで子どもの現場を持っている
- 本丸は「子どもと1,700時間プログラム」。1年次から同じ園へ毎週通い続ける実習
- 保育士と幼稚園教諭と小学校教諭の3免許同時取得が主流。4つ目まで届く人もいる
- 就職率と求人倍率という出口の数字が、資格に直結している
- 大阪総合保育大学が向いている人、注意しておきたい人
- よくある質問
大阪総合保育大学は「保育と幼児教育だけ」の単科大学なので、やばいの意味が総合大学と違う
まず前提をそろえます。大阪総合保育大学は大阪市東住吉区に本部を置く私立大学で、児童保育学部だけを持つ単科大学です。学部の中は児童保育学科と乳児保育学科に分かれ、学生の多くは保育士や幼稚園教諭、小学校教諭になることを目標に入学してきます。総合大学を偏差値だけで並べたときの「やばい」と、保育に特化した単科大学に向けられる「やばい」は、そもそも指しているものが違います。
総合大学なら学部の数や研究のブランドで語られますが、この大学は最初から進路が保育と教育の現場に寄っています。だから評価すべきは、幅広い分野をそろえているかではなく、保育士や教員として現場に出るための力をどこまで付けられるかです。検索の入口にある不安の多くは、この違いを整理しないまま偏差値の数字だけを見てしまったことから来ています。
ここでは大阪総合保育大学がどんな仕組みで保育者と教員を育て、卒業後の就職がどこまで実績を持っているのかを、公表されている数字で順に見ていきます。
偏差値42.5は当サイトの目安。河合塾のボーダーは37.5から42.5で方式により幅がある
大阪総合保育大学の偏差値は、当サイトでは42.5としてまとめています。河合塾Kei-Netのボーダー偏差値でみると、一般選抜で37.5から42.5あたりに収まり、共通テスト得点率は方式によって54パーセントから63パーセントほどに開きます。児童保育学科と乳児保育学科、そして入試方式で数字が動くので、一つの値で言い切れる性格の大学ではありません。
ここで大事なのは、保育系の単科大学は総合型選抜や学校推薦型選抜で入る割合が高く、一般選抜の偏差値だけを見ても実際の入りやすさや学生の中身は測りきれないという点です。保育士や幼稚園教諭を強く志望する高校生が、面接や小論文を通じて集まってくる構造があります。偏差値の高い低いより、保育者になりたいという目的がはっきりしているかどうかが、この大学では先に効いてきます。
だから「偏差値42.5だからやばい」と一括りにするのは正確ではありません。自分が受ける方式のボーダーを個別に確認し、そこに届くかで判断してください。数字の序列と、卒業後に資格を取って現場に立てるかは、別々に見る必要があります。
充足率79.7パーセントは定員をやや下回る。保育系単科が置かれた全国的な逆風の中で正直に見る
大阪総合保育大学の収容定員充足率は79.7パーセントで、定員をやや下回っています。ここは正直に書きます。近年は少子化に加えて、保育士や幼稚園教諭という職業の待遇面が話題になりやすく、全国的に保育士養成系の学部や短大は志願者を集めにくい逆風の中にあります。大阪総合保育大学の充足率も、その流れと無関係ではありません。
ただし、充足率が100パーセントを割っていること自体を「やばい」とだけ読むのは早計です。保育士養成という分野全体が同じ向かい風を受けている中での数字であり、この大学だけが極端に沈んでいるわけではありません。むしろ後で見るように、入った学生が資格を取り、専門職として就職していく出口の部分は高い水準を保っています。定員の充足という入口の数字と、卒業後の進路という出口の数字は、分けて評価するのが公平です。
進学先として見るなら、充足率の数字を不安の材料にするより、自分が保育や教育の現場を本気で目指すのかを先に固めることのほうが、この大学では意味を持ちます。
母体は城南学園という総合学園。保育園から大学院まで子どもの現場を持っている
大阪総合保育大学を設置しているのは、学校法人城南学園です。この法人は1935年の創立で、2025年に創立90周年を迎えました。保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、短期大学部、そして大学と大学院までを持つ総合学園で、子どもが生まれてから育っていく各段階の教育現場を、法人の中に実際に抱えています。
この背景は、保育者を育てる大学として軽くありません。学生が実習や見学で関わる現場が、机上の想定ではなく法人の持つ実物として近くにあるからです。大阪総合保育大学が2006年に開学し、2020年には日本で初めてとされる乳児保育学科を設けたのも、0歳から小学生までの子どもを一貫して見てきた学園の蓄積が土台にあります。単科大学と聞くと規模の小ささが不安に映るかもしれませんが、母体は保育と教育を長く続けてきた学園です。
本丸は「子どもと1,700時間プログラム」。1年次から同じ園へ毎週通い続ける実習
大阪総合保育大学を評価するうえで、いちばん見るべきは偏差値ではなく実習の仕組みです。大学が「子どもと1,700時間プログラム」と呼ぶ独自のインターンシップでは、1年次の早い時期から毎週決まった曜日に、同じ保育所や幼稚園、小学校、児童養護施設などへ1年を通して通い続けます。これを4年間積み重ねることで、子どもと関わる時間の総量が1,700時間という規模になります。
短期間の実習を数回こなすのではなく、同じ子どもたちの成長を1年単位で見守りながら「先生」として関わる点が、この大学の核心です。現場での立ち居振る舞いや、子どもとの信頼の作り方は、教室の座学だけでは身につきません。入学時の学力より、4年間で現場に立ち続ける経験の量が問われる設計になっています。逆に言えば、子どもと向き合う現場そのものに関心が持てない人にとっては、この強みは活きにくいということでもあります。
保育士と幼稚園教諭と小学校教諭の3免許同時取得が主流。4つ目まで届く人もいる
大阪総合保育大学の分かりやすい強みが、資格の取り方です。保育士資格、幼稚園教諭1種免許、小学校教諭1種免許という3つを同時に取得できるカリキュラムが組まれています。大学の公表では、2025年3月の児童保育学科の卒業生96名のうち88名、割合にして91.7パーセントが、この3つの免許を同時に取得しました。さらに特別支援学校教諭1種免許まで加えて4つを同時に取った卒業生も40名、41.7パーセントいます。
3つの免許がそろうと、保育所、認定こども園、幼稚園、小学校という複数の進路を、卒業時点で選べる状態になります。少子化で採用の枠が読みにくい時代に、就職先の候補が横に広いことは、そのまま安心材料になります。保育系の大学は数多くありますが、これだけの割合で3免許同時取得を実現している点は、大阪総合保育大学を単なる偏差値の数字で語れない理由の一つです。
就職率と求人倍率という出口の数字が、資格に直結している
入口の偏差値に対して、出口の就職はどうか。大学の公表では、就職率100パーセントを実現した年度があり、保育や教育の専門職に就いた割合も高い水準で示されています。学生を支えるのは、入学時からのクラス担任制と、希望進路や実習評価を一人ずつ記録していく「個人カルテシステム」で、これに1,700時間プログラムが組み合わさっています。
求人の面でも、公表されている年度では保育所や幼稚園、施設への就職希望者109名に対して求人が940件寄せられ、希望者1人あたり8.6件という倍率になっています。保育士や幼稚園教諭は人手が求められている職種であり、資格を取り切った学生に対しては現場からの引き合いが多いという構図です。ここは「定員割れ気味だから将来も不安」という単純な連想とは、はっきり切り分けて読んでください。取った資格がそのまま就職先につながる分野だからこそ、出口の数字が高く出ています。
大阪総合保育大学が向いている人、注意しておきたい人
ここまでを踏まえて整理します。大阪総合保育大学が向いているのは、保育士や幼稚園教諭、小学校教諭になりたい人、複数の免許をそろえて就職先の選択肢を広く持ちたい人、そして入学時の偏差値より4年間の実習で現場力を積み上げたい人です。1,700時間プログラムと3免許同時取得、就職の実績は、その目的にまっすぐ噛み合います。
一方で注意したいのは、進路が保育や教育に決まりきらないまま名前の響きだけで選ぶケースです。単科大学なので学べる分野は子どもと保育に寄っており、途中で全く別の業界を目指したくなったときの選択肢は、総合大学より狭くなります。充足率が定員をやや下回っている点も、事実として頭に入れておいたほうがよいでしょう。そのうえで、子どもと関わる仕事に就く気持ちが固まっているなら、大阪総合保育大学が自分にとって「やばい」のかどうかの答えは、偏差値ではなく実習と資格と就職のほうから、はっきり出てくるはずです。
よくある質問
大阪総合保育大学は「Fラン」ですか?
いいえ。大阪総合保育大学は大阪市東住吉区にある私立の単科大学で、当サイトの判定は対象外です。偏差値は当サイトの目安で42.5、河合塾のボーダーでは37.5から42.5ほどですが、保育士と幼稚園教諭と小学校教諭の3免許同時取得や高い就職率など、資格と出口の実績で評価すべき大学です。定員割れだけを根拠にしたFランの議論とは切り分けて見る必要があります。
大阪総合保育大学の偏差値42.5はどのくらいの難易度ですか?
42.5は当サイトでまとめた目安です。河合塾Kei-Netのボーダーでは一般選抜で37.5から42.5あたり、共通テスト得点率は54から63パーセントほどに開きます。児童保育学科と乳児保育学科、入試方式で数字が動くため、自分が受ける方式のボーダーを個別に確認するのが正確です。総合型や学校推薦型で入る割合が高い点も踏まえて見てください。
大阪総合保育大学の充足率79.7パーセントは危ないのですか?
収容定員充足率79.7パーセントは定員をやや下回る水準です。ただし少子化と保育士人気の低下で、全国の保育士養成系の学部や短大が同じ逆風を受けている中での数字です。入口の充足率と、卒業後の就職という出口の数字は別ものさしで、この大学は就職率100パーセントを実現した年度があるなど出口は高い水準を保っています。
大阪総合保育大学ではどんな資格が取れますか?
保育士資格、幼稚園教諭1種免許、小学校教諭1種免許を同時に取得できるカリキュラムです。大学の公表では、2025年3月の児童保育学科卒業生96名のうち91.7パーセントが3免許を同時取得し、特別支援学校教諭1種免許まで加えて4免許を同時取得した人も41.7パーセントいました。
大阪総合保育大学の「子どもと1,700時間プログラム」とは何ですか?
1年次の早い時期から毎週同じ曜日に、同じ保育所や幼稚園、小学校、児童養護施設などへ1年を通して通い続ける独自のインターンシップです。これを4年間積み重ね、子どもと関わる時間の総量が約1,700時間になります。同じ子どもの成長を長期で見守りながら現場力を身につける点が、この大学の核心です。

相川 直樹