関東学院大学は「やばい」のか|偏差値37.5・充足率101.3%が示す横浜の総合大学

関東学院大学を調べると「やばい」「恥ずかしい」という候補が並びます。ただ数字を見ると偏差値は37.5、収容定員充足率は101.3%で定員を超えています。
悪い印象の出どころと、横浜で140年続くキリスト教主義の12学部総合大学という実像を、公式データで照らし合わせます。
この記事の目次
「関東学院大学 やばい」の前に、横浜で140年続く学校だと知っておく
検索窓に関東学院大学と入れると「やばい」「恥ずかしい」「Fラン」といった候補が続きます。ただ、その言葉の手前にある成り立ちを見ておくと印象はかなり変わります。関東学院大学の源流は、1884年に横浜山手で開かれた横浜バプテスト神学校です。開港間もない横浜で海外に門戸をひらいた土地に生まれ、プロテスタントのキリスト教主義を建学の精神に据えてきました。大学としての発足は1949年で、経済専門学校と工業専門学校を母体にしています。つまり140年前から続く学校が前身で、その中に大学の歴史だけでも70年以上あるということです。
校訓は「人になれ 奉仕せよ」。派手なブランド戦略ではなく、地域と社会に人を送り出すことを軸に据えた、地に足のついた学校です。検索候補の悪印象は大学の中身を評価した結果ではなく、偏差値という一つの数字だけが切り取られて広まった副産物にすぎません。まずはこの前提を置いてから、数字を一つずつ見ていきます。
充足率101.3%、関東学院大学は定員を超えて選ばれている
大学が本当に敬遠されているかどうかは、偏差値より収容定員充足率のほうが正直に映します。これは定員に対して実際に何人在籍しているかの割合で、関東学院大学は101.3%。定員をわずかに超える学生が在籍しているという数字です。
「やばい」と揶揄される大学の典型は、定員を満たせず出願すれば通ってしまう状態、つまり充足率が100%を大きく割り込んだ大学です。関東学院大学はその逆で、定員を超えて志願者が集まり、選抜を経た人数がきちんと入学しています。神奈川県、それも横浜という進学先の選択肢が多い地域で、毎年定員以上に選ばれ続けているという事実は、名前を書けば入るという俗説とは正反対です。偏差値37.5という一つの数字だけを見て不安になる前に、この101.3%を並べて読むと、大学の実際の需要が見えてきます。
「Fラン」「就職できない」という声を、出どころごとに分ける
ネット上の否定的な評判は、出どころで三つに分けられます。一つ目は偏差値の低さ。関東学院大学の偏差値は学部・方式で幅がありますが、河合塾区分でおおむね37.5から上に分布し、法学や経済など50前後に届く学部もあります。Fランという言葉には公的な定義がなく、もともとは予備校の難易度表で合格ボーダーが判定できない、選抜が機能していない大学を指す俗語でした。関東学院大学は全学部に偏差値が付いて選抜が成立しているため、この分類には当てはまりません。当サイトの判定でも非Fラン(対象外)です。
二つ目は「恥ずかしい」という感覚的な声。これは大学の中身ではなく、他大学との比較で相対的に語られているだけで、根拠のある評価ではありません。三つ目が「就職できない」。これは公式の就職データを見れば事実と食い違います。次の項で具体名を挙げますが、警視庁や県警、公務員から建設・設備、金融まで、分野ごとに堅実な進路が確保されているのが実態です。
校訓「人になれ 奉仕せよ」が効く進路、法学部と公務員の強さ
関東学院大学の就職を見るとき、まず目を引くのが公務員系の実績です。法学部の主な就職先には警視庁、神奈川県警察本部、東京消防庁、財務省関東財務局といった官公庁が並びます。警察官・消防官という、地域の安全を担う職に人を送り出しているのは、「奉仕せよ」という校訓を掲げてきた学校の性格と重なります。
学部が違えば強い分野も変わります。経営学部では横浜農業協同組合や本田技研工業、建築・環境学部では東洋熱工業や日比谷総合設備、戸田建設、大和ハウス工業など、建設・設備の企業に実績があります。どれも誰もが知る超大手ばかりではありませんが、地元横浜・神奈川を中心に、専門分野に沿った就職先をしっかり確保しているのが読み取れます。「就職できない」ではなく「どの学部がどの業界に強いかが分かれている」というのが正確な理解です。
建築・環境学部という看板と、12学部の広さ
関東学院大学は国際文化・社会・法・経済・経営・理工・情報・建築環境・人間共生・教育・栄養・看護の12学部を持つ総合大学です。文系から理工系、栄養・看護といった資格系まで一つの大学にそろっており、学べる範囲がかなり広いのが特徴です。
なかでも看板の一つが建築・環境学部です。工業専門学校を母体の一つとする成り立ちから、建築・土木・設備の分野には長い蓄積があり、前項で挙げた建設・設備企業への就職実績もこの伝統に支えられています。建築士を目指す人にとっては、専門学部として独立している点が学びやすさにつながります。一方で文系志望なら法・経済・経営、資格を軸にするなら栄養・看護や教育と、進みたい方向で得られるものはまったく変わります。同じ関東学院大学でも、どの学部を選ぶかで大学生活の中身が大きく分かれる点は押さえておきたいところです。
ラグビーの黄金期が、この大学に残したもの
関東学院大学を語るうえで外せないのがラグビー部です。1997年度から2006年度まで10年連続で大学選手権の決勝に進出し、そのうち6回の優勝を果たしました。早稲田や帝京と並んで大学ラグビーの頂点を争った時期があり、テレビで名前を見て大学を知ったという世代も少なくありません。
スポーツの実績そのものが偏差値や就職を保証するわけではありません。ただ、全国区で戦えるチームを長く維持できたという事実は、大学が施設や指導体制に投資し、組織として力を注いできた証でもあります。「やばい」という検索候補だけを見ていると出てこない、この大学が持つもう一つの顔として知っておいて損はありません。名前の由来である横浜という土地とともに、地域に根づいた存在感を築いてきた学校だといえます。
3つの横浜キャンパスと入試・学費、判断の落としどころ
キャンパスはすべて横浜市内にあります。中心は金沢八景キャンパス(横浜市金沢区)で、多くの学部が集まります。加えて金沢文庫キャンパス(同区)、そして関内キャンパス(横浜市中区)があり、学部によって通う場所が分かれます。都市部の関内で学べる学部もあるため、志望学部ごとに立地を確認しておくと安心です。
入試は一般選抜のほか、共通テスト利用や学校推薦、総合型選抜など複数の方式が用意されています。学部・方式で難易度に幅があるので、偏差値表の一番低い数字だけで判断せず、自分が受ける学部と方式を個別に見ることが大切です。学費は文系より理工・建築・栄養・看護など理系や資格系のほうが高くなる私立大学の一般的な傾向に沿うため、正確な金額は必ず大学公式サイトの最新情報で確認してください。ここまで見てきたとおり、関東学院大学は「やばい」という検索候補の印象とは異なり、偏差値37.5・充足率101.3%で当サイトの判定は対象外です。横浜で140年続くキリスト教主義の12学部総合大学という実像を踏まえれば、悪印象の多くは数字の切り取りから生まれた誤解だとわかります。大切なのはラベルではなく、その学部で何を学び、卒業後にどう活かすかです。
よくある質問
関東学院大学はFランですか?
いいえ。Fランは選抜が実質機能していない大学を指す俗語ですが、関東学院大学は全学部に偏差値(河合塾区分でおおむね37.5以上)が付き、一般選抜や共通テスト利用など複数方式で選抜されています。当サイトの判定でも非Fラン(対象外)です。
関東学院大学の充足率はどのくらいですか?
収容定員充足率は101.3%で、定員を超える学生が在籍しています。定員割れで誰でも入るという状態とは逆で、横浜という選択肢の多い地域で毎年きちんと選ばれている大学だといえます。
関東学院大学は就職できないというのは本当ですか?
事実とは異なります。法学部は警視庁・神奈川県警察本部・東京消防庁などの公務員に強く、建築・環境学部は戸田建設や大和ハウス工業など建設・設備企業に実績があります。学部ごとに強い業界が分かれているのが実態です。
関東学院大学はどんな大学ですか?
1884年の横浜バプテスト神学校を源流とし、1949年に発足したキリスト教主義の総合大学です。校訓は「人になれ 奉仕せよ」。国際文化・法・経済・経営・建築環境・看護など12学部を持ち、キャンパスはすべて横浜市内(金沢八景・金沢文庫・関内)にあります。

相川 直樹