関東学園大学はやばい?群馬・太田の経済単科大を偏差値と就職から正直に見る

先に事実を置きます。関東学園大学は偏差値35.0、収容定員充足率60.7%。入試で落ちる心配はほぼない実質全入の大学です。 知りたいのはその先でしょう。経済学部だけの小さな単科大が群馬県太田市で何をしてきたのか、定員割れの裏で地元就職はどう回っているのか。確認できた事実だけで並べます。
この記事の目次
経済学部ひとつ。関東学園大学は「絞り込んだ」単科大学
まず輪郭から。関東学園大学は群馬県太田市藤阿久町にある私立大学で、置いている学部は経済学部だけです。総合大学のように文系理系がずらりと並ぶわけではなく、経済学科と経営学科の2学科、その下に5つのコースがぶら下がる構成になっています。規模の小さい単科大学、というのが正確な姿です。
この「経済学部だけ」は最初からそうだったわけではありません。1976年の開学時は経済学科でスタートし、1981年に経営学科、1990年には法学部法律学科まで広げています。ところが2010年に法学部は募集を停止しました。手を広げた学部を畳んで経済学部へ戻した、という経緯がそこにあります。今の単科大としての姿は、拡張と撤退を経てたどり着いた形だと見ておくのが実像に近いです。
偏差値35.0・実質全入をごまかさずに言う
河合塾の偏差値はBF〜35.0、共通テスト得点率の目安は48〜51%です。BFはボーダーフリー、つまり合否ラインを引けるほど不合格者が出ていない状態を指します。入試で選抜されて振り落とされる、という受験の緊張感はほぼないと考えてよく、当サイトの判定も「実質全入」です。ここを曖昧にする必要はありません。学力で絞り込む大学ではない、というのが出発点です。
ただ、偏差値は入試の入りにくさを測る物差しであって、大学で過ごす4年間の中身や卒業後の進路をそのまま表す数字ではありません。「入りやすい」と「入って意味がない」はイコールではない。だから入口の易しさは易しさとして認めたうえで、その先にある就職や立地の話に軸足を移します。
充足率60.7%という定員割れを、そらさずに扱う
正直に書くべき数字がもうひとつあります。収容定員充足率60.7%。これは定員に対して在籍者が6割程度しか埋まっていない、明確な定員割れです。経済学科・経営学科それぞれ定員95名という規模の大学で、席の4割前後が空いている計算になります。地方の小規模私大が置かれている厳しさが、そのまま出た数字だと受け止めるべきです。
定員割れが続くと、収入面や運営の余力に不安が出るのは事実で、ここを「気にしなくていい」とごまかすつもりはありません。一方で、席が埋まっていないことは、少人数で教員との距離が近くなりやすい環境と裏表でもあります。数字の弱さを認めたうえで、その環境を自分がどう使い倒すか、という視点で見るのが現実的な向き合い方です。
本当の勝負どころは、太田・群馬の地元就職
関東学園大学を評価するなら、偏差値より就職先の顔ぶれを見たほうが早いです。公式の就職実績には、群馬県警察や自衛隊といった公務員、東和銀行・アイオー信用金庫・足利小山信用金庫などの地元金融機関、そして深井製作所・赤城食品・ヨコオデイリーフーズ・群馬製粉といった北関東の製造業・食品企業が並びます。全国区の大手がずらりというより、群馬とその周辺で回っている地場企業の名前が中心です。
これはネガティブな話ではありません。太田市はものづくりの盛んな地域で、地元に根を張った企業が多い土地です。そこにある大学が地元企業へのパイプを持っているのは、地方で就職したい人にとってはむしろ実利です。東京の有名企業を狙う進学先としては物足りなくても、「群馬・北関東で堅く働く」を前提に置くと、この就職の中身は選ぶ理由になり得ます。
細谷駅と太田という立地の意味
キャンパスは東武小泉線の細谷駅から徒歩5分ほど。最寄りが小さな路線の駅であることも含めて、都会の大学生活をイメージすると落差があります。ここは正直に言っておく部分です。
ただ立地は、通学の便だけでなく「どの経済圏の中にいるか」でも見るべきです。太田は群馬県東部の中心的な工業都市で、周辺の企業や自治体との距離が近い。大学側も地方創生をテーマにした研究や、太田を舞台にした地域連携の取り組みを掲げています。地元で働き、地元で暮らす道筋を前提にするなら、この立地は弱点ではなく前提条件です。逆に、都市部での就職や華やかな学生生活を最優先にする人には向かない、とはっきり言えます。
スポーツと課外活動という、もうひとつの入口
関東学園大学には勉強以外の入口もあります。硬式野球部は関甲新学生野球連盟の1部リーグに所属し、全国大会を目標に活動しています。2026年には部員がプロ野球独立リーグの栃木ゴールデンブレーブスへ入団するという動きもありました。陸上競技部なども継続して活動しており、卒業生が国際大会の日本代表に選ばれるといった例も出ています。
学園祭の三松祭はタレントやミュージシャンを招くなど、小規模大学のわりに力を入れているのも特徴です。偏差値の数字だけを見て「やることがなさそう」と決めつけると、こうしたスポーツや課外の選択肢を見落とします。競技や活動を軸に4年間を組み立てたい人にとっては、少人数で目立ちやすい環境がむしろ動きやすい、という見方もできます。
1924年からの100年と、閉じた短大
沿革も知っておくと印象が変わります。母体は1924年に開かれた関東高等女学校で、日本女子大学の初代卒業生である松平濱子が創設したと伝えられています。そこから100年、女学校を出発点に大学へと形を変えてきた歴史があります。関東学園大学附属高等学校は現在も館林市で運営されています。
一方で、同じ学校法人が運営していた関東短期大学は2020年に閉学しました。学園全体で見れば、残す部分と閉じる部分を選び分けながら今の形になっている、という現実があります。100年の歴史は看板として立派ですが、その内側では取捨選択が続いてきた。定員割れの数字と合わせて、こうした動きも冷静に見ておくのが誠実な読み方です。
結局、誰にとって「あり」なのか
ここまでを踏まえて整理します。関東学園大学は、偏差値35.0で実質全入、充足率60.7%の定員割れという弱点を抱えた小さな経済単科大です。これは動かせない事実です。同時に、群馬・北関東の地元企業や公務員へのパイプ、太田という工業都市の中にいる立地、スポーツや課外の選択肢という、数字に出にくい持ち味もあります。
だから答えは相手によって変わります。都市部の有名企業や難関資格を狙い、学歴の看板を武器にしたい人には、正直おすすめしにくい。逆に、群馬・北関東で地元就職したい、公務員や地場企業で堅実に働きたい、あるいはスポーツや活動を軸に大学生活を送りたい人にとっては、入りやすさは障害ではなく入口になります。「やばいかどうか」ではなく「自分の行き先とかみ合うか」で決めるのが、この大学の正しい測り方です。
よくある質問
関東学園大学は誰でも入れるのですか。
河合塾の偏差値はBF〜35.0で、当サイトの判定は実質全入です。合否ラインを引けるほど不合格者が出ていない状態で、入試で大きく振り落とされる心配はほぼないと考えてよいです。ただし選抜が緩いことと、入学後にどう学び就職につなげるかは別の話なので、入りやすさだけで判断しないことをおすすめします。
定員割れしているそうですが、大丈夫なのですか。
収容定員充足率は60.7%で、席の4割前後が埋まっていない明確な定員割れです。ここはごまかせません。地方小規模私大の厳しさが出た数字である一方、少人数で教員との距離が近くなりやすい面もあります。運営面の不安は事実として押さえつつ、その環境を自分がどう使うかで評価が変わります。
どんな学部がありますか。
経済学部のみの単科大学で、経済学科と経営学科の2学科、その下に5コースを置いています。かつては1990年に法学部も設置しましたが、2010年に募集を停止し、現在は経済学部に絞った構成です。経済・経営を地域や実務と結びつけて学ぶ設計になっています。
就職先はどのようなところですか。
公式の就職実績には、群馬県警察や自衛隊などの公務員、東和銀行やアイオー信用金庫などの地元金融機関、深井製作所・赤城食品・ヨコオデイリーフーズ・群馬製粉といった北関東の製造業や食品企業が並びます。全国区の大手より、群馬・北関東の地場企業が中心です。地元で働きたい人には実利のある顔ぶれです。
どんな人に向いていますか。
群馬・北関東で地元就職したい人、公務員や地場企業で堅実に働きたい人、スポーツや課外活動を軸に大学生活を送りたい人には向いています。逆に、都市部の有名企業や難関資格を狙い、学歴の看板を重視する人には物足りない可能性が高いです。自分の行き先とかみ合うかで判断してください。

相川 直樹