武蔵野学院大学は「やばい」?国際コミュニケーション単科と充足率66.2%を事実で確かめる

武蔵野学院大学を調べると検索候補に「やばい」が出て、不安になった人もいると思います。ただ、名前が似た大学と取り違えて集まった言葉も、この一語には混ざっています。
当サイトの基準では収容定員充足率66.2%で明確な定員割れ、偏差値もボーダーフリー(BF)と判定しています。ここでは名前の切り分けから国際コミュニケーション単科という中身まで、事実で確認します。
この記事の目次
まず「武蔵野大学」「武蔵大学」「武蔵野美術大学」と切り分ける
武蔵野学院大学を語るとき、最初にやるべきは名前の整理です。世の中には「武蔵野大学」「武蔵大学」「武蔵野美術大学」という、字面のよく似た別の大学がいくつもあります。武蔵野大学は江東区有明などに13学部を構える大規模な総合大学で、運営する学校法人も別です。武蔵大学は練馬区江古田の文系総合大学、武蔵野美術大学は美術・デザインの専門大学で、これらもすべて武蔵野学院大学とは無関係の別法人です。
武蔵野学院大学は、これらとは規模も中身もまったく異なる、埼玉県狭山市にある小さな単科大学です。検索候補の「やばい」には、実は別の大学について調べた人の履歴が混ざり込んでいる可能性があります。名前が似ているというだけの理由で評判が結びつけられやすい大学なので、まずは「どの武蔵野なのか」をはっきりさせてから中身を見ていきましょう。
学部は国際コミュニケーション一つだけ、という潔い単科構成
武蔵野学院大学は、国際コミュニケーション学部国際コミュニケーション学科という、たった一つの学部・学科だけで成り立つ単科大学です。文学部も経済学部もなく、選択肢は事実上ひとつ。これは総合大学に慣れた目には物足りなく映るかもしれませんが、逆に言えば「国際コミュニケーションを学びたい」という目的がはっきりしている人にとっては、大学全体がその一点に資源を集中していることになります。
大学院にも国際コミュニケーション研究科があり、学部から大学院まで一貫してこの分野に絞り込んでいます。手を広げず一分野に賭ける構えなので、幅広い学問から選びたい人には向きません。学部名がそのまま学びの中身を表しているぶん、出願前のミスマッチは起きにくい設計だと言えます。
偏差値ボーダーフリー(BF)とは何を意味するのか
当サイトの判定では、武蔵野学院大学の偏差値はボーダーフリー、いわゆるBFです。河合塾の区分では、合格可能性50%のラインが引けないほど不合格者がほとんど出ない状態を、便宜上35.0として表示します。つまり「一般入試の学力で合否がふるいにかけられていない」という意味であり、数字が低いこと自体よりも、選抜がほぼ機能していない点が本質です。
ただし模試会社によって見え方は変わります。進研模試の系列では44〜47といった数字が示されることもありますが、これは母集団や算出方法の違いによるものです。当サイトは、より広い母集団で合否ラインが引けているかを重く見る立場から、BF(基準値35.0)として扱っています。学力に自信がなくても入りやすい一方、周囲の学力層も幅広くなる点は、入学後を考えるうえで正直に押さえておくべき事実です。
充足率66.2%という定員割れを隠さず見る
武蔵野学院大学でいちばん直視すべき数字が、収容定員充足率66.2%です。これは、定員100人に対して在籍がおよそ66人にとどまっている状態を意味し、明確な定員割れです。定員をほぼ満たしている大学とは状況が異なり、当サイトはこの点を主な理由として、武蔵野学院大学を判定対象(いわゆるFランに区分される側)としています。
定員割れが続くと、授業料収入が細り、開講科目や課外活動の規模に影響が出ることがあります。一方で、学生一人あたりに教員の目が届きやすくなる面もあり、後で述べる少人数教育はこの規模だからこそ成り立っている側面もあります。数字の低さを不安材料として受け止めるのは正しい反応ですが、それが即「教育が破綻している」を意味するわけではありません。定員割れという事実と、教育の中身は分けて評価するのが公平です。
1・2年で600時間、少人数・習熟度別の英語という土台
この大学が前面に押し出しているのが、英語教育です。大学の説明によれば、1・2年次の2年間で600時間に及ぶ英語の授業をカリキュラムの土台に据え、少人数かつ習熟度別のクラスで進めます。学力層が幅広いことを逆手に取り、レベル別に分けて一人ひとりの進み方に合わせるという発想です。先生との距離が近く、丁寧に見てもらいやすいのは、小規模ならではの強みだと言えます。
「会話の機会が足りない」という日本の英語教育への問題意識から、読み書きだけでなく話す量を確保する構成にしているとされます。ここは、偏差値やブランドでは測れない、実際に手をかけている部分です。英語を基礎からやり直したい人にとっては、この手厚さが入学後の実利につながる可能性があります。
海外研修・留学と「4年で卒業」の両立
国際コミュニケーションを掲げる以上、海外に出る仕組みも用意されています。大学は海外研修・留学のプログラムを設け、留学期間中の学費も奨学金の対象になるため、うまく利用すれば留学をしても4年間で卒業できる、と説明しています。留学すると卒業が延びがちな大学が多いなかで、修業年限に組み込む設計になっている点は、費用と時間を気にする受験生には現実的な安心材料です。
ただし、留学プログラムは年度によって内容が変わったり、中止・変更になったりすることがあります。募集要項や大学の最新情報で、行き先・費用・単位認定の条件を必ず確認してください。パンフレットの華やかな部分だけでなく、自分が入る年に実際に動いているプログラムかどうかを見るのが賢明です。
埼玉県狭山市広瀬台という立地の実際
キャンパスは埼玉県狭山市広瀬台にあります。都心のターミナルからは距離があり、華やかな学生街というより、落ち着いた郊外の環境です。近くに大規模な繁華街がないぶん、遊びの誘惑は少なく、勉強に集中しやすいと感じる人もいれば、通学や生活の利便性で物足りなさを感じる人もいるでしょう。ここは善し悪しではなく、自分がどんな4年間を過ごしたいかによって評価が分かれる部分です。
狭山市は西武新宿線・池袋線圏で、都心方面へのアクセスは確保されています。オープンキャンパスなどで実際に足を運び、自宅からの通学時間や周辺の生活環境を体感してから判断するのが、後悔の少ない選び方です。立地は入学後に変えられない条件なので、事前の下見の価値が高い項目です。
就職・キャリア支援は小規模の距離の近さで補う
規模が小さい大学は、大企業への大量実績のような派手さでは大手大学にかないません。そのぶん武蔵野学院大学は、1年次から始まるキャリア教育の授業、エントリーシートの個別添削、面接指導、公務員試験対策など、一人ひとりに手をかける支援を前面に出しています。担任やゼミ担当、就職部の教職員が学生に関わる体制で、少人数だからこそ顔の見える支援がしやすい、という説明です。
ここで冷静に見ておきたいのは、支援が手厚いことと、就職実績そのものは別だという点です。手をかけてもらえる環境は追い風になりますが、最終的に動くのは本人です。気になる場合は、志望に近い分野の卒業生がどんな進路に進んでいるか、公表されている実績を大学に直接確認するとよいでしょう。裏の取れない華やかな実績を鵜呑みにせず、自分の目で数字を確かめる姿勢が、この規模の大学ほど大切になります。
よくある質問
武蔵野学院大学と武蔵野大学は同じ大学ですか?
まったく別の大学で、運営する学校法人も異なります。武蔵野学院大学は埼玉県狭山市にある国際コミュニケーション学部だけの小規模な単科大学です。一方の武蔵野大学は江東区有明などに13学部を構える大規模な総合大学です。名前の似た武蔵大学(練馬区)や武蔵野美術大学も、それぞれ別の大学です。
偏差値がボーダーフリー(BF)だと、誰でも入れるということですか?
BFは、一般入試で合格可能性50%のラインが引けないほど不合格者が少ない状態を指し、河合塾では便宜上35.0として表示されます。学力での選抜がほぼ機能していないという意味で、入りやすいのは事実です。ただし入学後は英語を1・2年で600時間、習熟度別に学ぶ構成なので、入ってから学ぶ意欲は問われます。
充足率66.2%の定員割れですが、大学として大丈夫ですか?
定員に対して在籍がおよそ66%にとどまる明確な定員割れで、当サイトが判定対象としている主な理由です。授業料収入や開講規模に影響が出る可能性はあります。ただし少人数教育はこの規模だからこそ成り立つ面もあり、定員割れという事実と教育の中身は分けて考えるのが公平です。心配な点は大学に直接確認するとよいでしょう。
留学すると卒業は遅れますか?
大学の説明では、留学期間を修業年限に算入でき、留学中の学費も奨学金の対象になるため、うまく利用すれば留学をしても4年間で卒業できるとされています。ただしプログラムは年度により変更・中止の可能性があるため、行き先・費用・単位認定の条件は最新の募集要項で必ず確認してください。
小規模な大学ですが、就職の面倒は見てもらえますか?
1年次からのキャリア教育の授業、エントリーシートの個別添削、面接指導、公務員試験対策などを前面に出しており、少人数ゆえに顔の見える支援がしやすい体制です。ただし支援の手厚さと就職実績は別物です。志望に近い分野の卒業生の進路は、公表実績を大学に確認したうえで判断するのがおすすめです。

相川 直樹